┊第6話 ページ6
私の家の前に着いた。
夜も遅く、静まり返る住宅街で、改めて相手と顔を合わせる。
『今日は色々ありがと。 久しぶりに話せて楽しかった。』
「こちらこそ。 また飲み行こうよ。」
『いいよ〜、今度は私が奢る』
「ﾊﾊｯ、またじゃんけんかな〜。 A弱いしね〜」
『うるさいうるさい、今日たまたま負けただけです〜！』
『それじゃあね。』と家に入ろうとすると、「待って」と呼び止められた。
後ろを振り返ると、相手は私の方をじっと見つめてくる。
『…どしたの？』
「なまえ」
『え？』
「おれ、今らっだぁって名前で活動してんの。 そっちでいいから、名前、呼んで。」
どうやら、名前をあえて呼ぼうとしていなかったのをバレていたらしい。
単純に期間があいて距離感を測っていたところもあったけど、一番の理由は、元彼の名前が目の前の男… らっだぁと一緒だったからだ。 前会った時、その話をして、『あんたのこと、名前で呼びにくくなっちゃった〜！』なんて笑っていたから、それを覚えていたんだろう。
もしかしたらそう言うところで、重ねてたのかも、なんて考えてすぐ辞めた。
『あんま、公共の場で活動名出さない方がいいんじゃないの』
「じゃあ、あだ名、なんでもいいから、名前で呼んで。」
ずいぶんグイグイくる、その理由も分からなくて、でもわたしも名前で呼びたくて。
あの頃みたいに隣にいたくて。
『じゃあ… ら、だくん。』
「うん。 もういっかい。」
『らだくん。』
「うん、よく出来ました。」
満足したように微笑むらだくんを見て、どこか安心する私がいた。
「はい、俺は満足したので帰ってくださ〜い」
『呼び止めたのそっちだろうが？？？？』
「ほらほら、危ないから早く入りな。」
『言われなくても入るが？？？？』
コロッと態度が変わったらだくんに、私のさっきの安心は何処かに消え去った。 なんなんだ、この男は。 たらしか？？？ たらしなのか？？？ 前からそういうところある、いい加減にして欲しい。 こっちの身にもなれ。
「ほら、はやくはやく」と急かす理由も分からないけど、とりあえず私はマンションのドアを開ける。
『それじゃ、またね』
「うん、またね。」
返事を聞いてからドアを閉める。
そのあとなにか聞こえた気がしたけど、ドアの音にかき消されて聞こえなかった。
振り返った瞬間、らだくんの顔が少し赤く見えたのは、自惚れても、いいのだろうか。
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とろとろ(プロフ) - ほんとに好きです…❕💗ご無理のない範囲で続きが見てみたいです！ (7月8日 11時) (
レス) @page20 id: a4693b188c (このIDを非表示/違反報告)
一 にのまえ - 更新頑張ってください！ (2023年3月25日 14時) (レス) @page17 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - mikuさん» mikuさんコメントありがとうございます…!! とても嬉しいお言葉です；； (2023年3月22日 14時) (レス) id: a05117c823 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ(プロフ) - みのさん» みのさん、コメントありがとうございます~!! 頑張ります…!! (2023年3月22日 14時) (レス) id: a05117c823 (このIDを非表示/違反報告)
miku(プロフ) - うあぁ、早く続きが読みたい!!ってすごく思いました!!めっちゃ好きです笑。作者さんのペースで頑張ってください!!更新楽しみにしてます！ (2023年3月21日 22時) (レス) @page15 id: 98c979cc2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルイ | 作成日時：2023年2月8日 16時
