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僕はやることがあるから早く帰りたいのだが…
「あの、皆さん。ボクはやることがあるのでここでお暇させていただきますね。では皆さんさようなら」
「あ、ちょおA待てや!あっ、俺も帰るからな!」
後ろから兄の声が聞こえたが気にせず先に進むことにした
しかし、あの兄から一緒に帰ろうと誘われるとは思いもしなかった
おそらく周りからの目を気にしてボクのことを心配しているというアピールだろう
そうでないと今までの言動と噛み合わない
兄と初めて出会ったときはまだお互いに小さかった頃だ。その時のボクは人を疑うということすら知らなかったのかもしれない。どこへ行くときも兄とともに行き、兄は兄で四六時中ボクのそばにいて遊んでいた。
その関係が崩れたのはいつだったのだろうか…
いつかは覚えていないが人間不信になったきっかけと言ってもいい言葉なら覚えている。兄が一番大切だったボクに兄はこう言った
『馴れ馴れしくすんなや。鬱陶しいから早く離れてくれへん?』
その言葉を聞いてからは僕はすべてを偽った
性格を偽り、自身の能力を偽り、喋り方、好きなもの、得意なこと。すべてを変えた
兄という存在がボクの中から消え去ったあと兄とは喋らなくなった
なのに。なぜボクの方をそんな目で見てくるの?悲しそうで寂しそうなめで。
二人きりになってからしばらくが経ち沈黙を破ったのは兄だった
「なぁ、A。もう昔みたいな関係に戻れないんか?また、あの時みたいに喋りかけてくれへんの?」
本当に意味がわからない
馴れ馴れしくするなといったのは兄の方なのに
「ねぇ、兄さん。昔みたいな関係に戻れないのか、だって?笑わせてくれるね。こんなことになったのはすべて兄さんのせいじゃないか。ボクが話しかけなくなったのも、何もかもを偽るようになったのもすべて兄さんが裏切ったからだろ?」
「っ!そ、それは…」
あぁ、頭痛がする。
「話を聞く気にもならないね。もうこんな無駄なことしないでくれる?自分の言葉の重みをちゃんと思い返しなよ」
ボクがどんなに苦しんでいるのかを知ればいい
「あぁ、ひとつ言い忘れていたけどボクは今日限りで家を出ていくから。ネットで知り合った人のところへボクは行くから」
かけられた声を無視して家の中へ入る
そのままボクは自分の部屋に行き荷物の整理をした
やっとこの家と離れることができると思ったら嬉しさしか出てこなかった
僕は静かに笑った
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アイズ(プロフ) - 塩だよさん» お待たせ致しました! (3月28日 22時) (レス) id: c69d3b62aa (このIDを非表示/違反報告)
アイズ(プロフ) - ななさん» 覚えていらっしゃらないかもしれませんが大変お待たせ致しました! (3月28日 22時) (レス) id: c69d3b62aa (このIDを非表示/違反報告)
なな - 塩だよさん» 仲間だ〜。一緒に待とう! (2021年8月22日 16時) (レス) id: eb678d68cd (このIDを非表示/違反報告)
塩だよ - 僕も待っています!更新って結構大変ですよね。 (2021年8月11日 1時) (レス) id: 30ee96ed2c (このIDを非表示/違反報告)
なな - 更新待ってます。頑張ってください。 (2021年6月15日 9時) (レス) id: eb678d68cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:明音 | 作成日時:2021年3月11日 18時