本能のままに【ut】 ページ7
「なぁ大先生」
「ん〜？」
「なんでそんな堂々と浮気できるん？」
「はい？」
いつも女を連れている男が珍しく1人だったので、気になったことを聞いた。
「その、毎回毎回周りにいる女の人たち違うやんか」
「うん、？」
「あれはなんでなん？」
「この世に美しい女性が大量にいるのが悪いわ」
急に気持ち悪いことを言い出したので、取り敢えず吐きそうな顔をしておいた。
「えごめんやん、？」
「うぅん、」
「てか急やね、なんで今？」
「いや、ずっと女が隣におったから」
「ふぅん」
曖昧な返事をしながらタバコを取り出す大先生。
「まぁさ、本能に従えってことよ」
「はぁ、」
「自分のしたいことを俺ははよ理解したから、気づいてない奴らを退けしてきた結果」
「かすやね、」
ちょっとした悪口を言えば「なんでそんなこと言うん⁉︎」と弱々しい大先生の出来上がり。
「じゃあAちゃんは？」
「え、私？」
「うん。ないのなんか」
「...あ〜、」
ぱっと金髪のアイツが頭に出てきたが、言葉に出すことが難しかった。
「、ないねぇ」
「うせやん」
「うーんない」
少し笑って見せて、いつも通りだと言うような。
「、、ていうか、俺らも結構長い付き合いよな」
「？おん」
急に意味不な話をするわけで。
何でかはわからないが頷いておいた。
「けっこー前さ、お前とシッマが両思いやった時があったやん」
「え、まって？」
「ん？」
「え、両想い、やったん、？？」
唐突に爆弾を投下してきたので、焦りながら大先生に聞く。
「うん」
「は！？いつ！」
「高2」
「うちが相談し始めた時期やんｯ！？」
喫煙所で2人しかいないが、信じられないくらい大きい声が出て口を抑える。
「そんときどっちもから相談受けよったんよ」
「な、なんで言わんかったん、？」
「もち、3人の中の2人付き合うとか空気的に地獄やん？」
人差し指を立てながらいう大先生にうんと頷く。
「話ちょっと戻るけどAちゃんに『本能に従え』って言ったからには自分も従いたいなってさ」
「おう、？」
「でもやっぱり僕はちゃんとした恋愛したことないからあのときみたいにさせてもらうね」
「はい、？」
吸殻を灰皿にグッと押し付けてこちらへ向く。
「俺＿＿」
「＿＿＿の事、お前らが両思いな時から好きやってん」
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作者名：シロクも | 作成日時：2024年2月27日 0時
