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貴方の想いも汲み取って。【ci】 ページ5

「......」


放課後の誰もいない教室で真っ赤に腫れた目を開閉する。


「...帰ろ」


荷物を持ってドアの方へ向かう。


「ッ、!?」
「あ、先輩じゃないですか」


すると、ドアの前に一個下の後輩、チーノが居た。
足音も何も聞こえなかったが、泣いていて聞こえてなかっただけだろう。


「チーノ、どしたの」
「先輩こそ。もう外暗いですよ」


そう言われて後ろの窓を指さされる。
先ほどまで赤かった空が今では藍色に。
どのくらい泣いていたのだろう。
それと同時に目が赤くなっていることを思い出し、もう一度振り返るときには少々下を向いていようと。


「あー寝てた。もしかしてチーノも?」
「、んー、そっすね」


考える仕草をしながら私の言葉に頷く。


「、せんぱい」
「んなにどうした?」


急に怪訝そうな声になるので、いつもと違って目を合わせない私を疑っているのかと冷や汗をかく。


「どうか、しました?」
「、、なんのことよ?」


予想的中だったかもしれない。
なにかこれ以上悟られないように、先ほどより声色を高く
返事する。


「いや、なんか元気ないなぁって」




・→←溶けていくように。【kn】



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作者名:シロクも | 作成日時:2024年2月27日 0時

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