【d！】短編集【wrwrd】 (ページ18)

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同居人の本音【shp】ページ18

「...は？」

ゴツンｯ

「っでぇ！！！？」
「アホやろう！！うちが住ませてあげとるだけやろ！」
「え、なになに？？」
「はぁ？あんたのお願いで仕方なくやろ」
「えなん、っなんのはなし、？？」

急な同居人の虚言に呆気を取られた。あと、ごめんなさい。目の前の人。

「あー、耳貸せ、！」
「はぁ、？」

“こいつヤリ〇チンやから捕まりたくなきゃ俺に従え”
微かに、いや、はっきりそう聞こえた。はて、？

「ん“ん”ｯ、こいつの最後のお願いなんで」

彼はくるりと回ってひょろひょろ(仮)に説明を始めた。

「あぁ〜、な、なるほどね、？」
「自分の引っ越しの手伝い恋人にさせるって、笑」
「は、」

そりゃ引っ越ししたいって言ったのは自分だけども…！

「彼氏なんやから手伝いくらいやれや」
「知らんわ」
「くそだろお前」
「……あの～、」
「「はい？」」

「ほんまに彼女なん？」
「いや…」「そうっすよ」
「…ふーん、？」

きっとコレからも会うことになると思うので一応の為名前を聞く。

「あの、名前教えてもろてもええですか？」
「あ失礼しました、わたくし鬱と申します-」

礼儀はあるらしいひょろひょろ、いや鬱さんは、特に魔神的名前ではなかった。

「初めましてAといいます」
「A、素敵な名前ですね」
「あー、ありがとうございます」
「よかったら連…あぁいや、じゃあ僕は一旦帰りますね」

何を言いかけたんや気になるやろ。

「え、もう帰られるんですか？」
「あーうん、また遊びきますわ」
「いつでもいらしてくださいね」
「りょうかいでーす、お邪魔しましたぁ」
「ありがとうございましたー、」

「ふぅ、」

猫被りすぎたな...

「…さて、」

鬱さんと話し始めてすぐに後ろで喋らなくなった、凄まじい空気を醸し出す同居人に、首だけ上へ声を掛ける。

「どしたん？」
「別に何も」
「いやうせやん草」
「…うるさ」

不慣れな照れ隠しが可愛くて口角が上がる。

「なんでやー言ってくれなわからんわ」
「なんもないー、」

そそくさと部屋へ帰る彼を逃しては、これから一回も勝てる気がしない。
閉められたドアの前で深呼吸をする。

「...言ったらええやん？“嫉妬”やって」
「っ、はぁ“！！？」

完全に油断していた彼を見てにししと笑う。

今日は圧勝やな！！
心の中で一つガッツポーズをした。